大好きな君へ
すると、総司は俺の隣にストンと座った

そして、どこか、遠くを見て話始めた


「平助はいいですね……」

意味わかんねぇ


俺はもおやけくそになって、どうでもよさそうに言った

「羨ましいのはこっちだぜ……総司は好きな人と両想いで……」


すると、総司はびっくりしたような顔をした

それから、凄く切なそうに、遠くを見ていった



「いいえ、僕は一度だって好きな人と想い合えたことはないですよ……」


ん?

どういう事だ?


「え?だって、さっき井戸で……」


すると、少しびっくりしたような顔をした

「見てたんですか?……あれは、僕が一方的にやっただけです……あれだけやっても、本人には伝わらなかったけど……」


そして、総司はまた切なそうに遠くを見た



て言うことは……


「総司とちぃって、恋仲じゃないのか?」


すると、総司は悪戯っぽく笑った

「平助が早く伝えないと、僕がとっちゃいますよ?」

「なっ!!……ぜってぇ渡さないからな!!」

「クスッ」

「わ、笑うなああ〜」


そして、総司は屯所に帰っていった



そして、俺は決めた



今日、気持ちを伝えよう


大好きな人に………


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