大好きな君へ
その日から、朝はもちろんのこと、お凛ちゃんは暇さえあれば平助君にくっついて、私が平助君と二人になれるのは夜だけになってしまった


いい加減きつくなってきた

お凛ちゃんが平助君にくっついているのをみるたび泣きそうになる


それより、一番悔しいのは私は何にも出来ないこと


今は、お凛ちゃんがきて4日目の夜

私はお風呂に入って一人で縁側に座っていた



すると、隣に誰かが座った

「よぉ、ちぃ、元気か?」

ぱっつぁんはニカッと笑って私の頭をクシャッと撫でた


「ぱっつぁん、何かね?怖いんだ……」


私が言うと、ぱっつぁんは手を私の頭に乗っけたままで

「何で?」

と聞いた

私は全部ぱっつぁんに話した

平助君がお凛ちゃんの所に行っちゃいそうで怖いこと

不安なこと



すると、ぱっつぁんまた私の頭をクシャッと撫でた

「そらぁ、ちぃの気持ちをしっかり平助に伝えなきゃダメだな」

「伝える?」

すると、ぱっつぁんは優しく笑った


「そう、しっかり言ったらきっと平助だってちぃの気持ちをわかってくれるさ」

「ホントに?わ、私、平助君とこ行ってくる」


私は、ぱっつぁんにお礼をいって平助君を探した


















その頃縁側では──────


「全く世話のやける奴だ……」

新八が一人、微笑んでいた



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