大好きな君へ
「私……ぇたくなぃ……消えたくないよ……」


私は平助君に離れないように抱きついた


そして、瞳からはポロポロと涙が流れた


すると、平助君は戸惑ったように言った


「消えるってどういうことだ?」


「ぅ……私…力を使いすぎちゃったの……」


「力って……?」


平助君の声は、心なしか震えていた


「私の治癒能力は、自分の命を削る力なの……」


「嘘…だろ?……」


平助君の声は震えていた


そして、私を抱きしめる腕が強くなった


「本当だよ?」


そして、私は自分の思いを精一杯伝えた


消えてしまう前に───


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