大好きな君へ
「うーん……これなんかどないでひょ」
只今呉服屋です
「うーん……ちぃはどっちがいい?」
店員さんが持ってきてくれたのは、黒地に蝶がかかれている着物と、うすい桃色の綺麗な着物
私は迷わず桃色の着物を指差した
「これでいいの?じゃあ、奥で着替えてきな?ついでに、綺麗にしてもらえよ?」
平助君がニヤッとして言った
綺麗にって、ただ着物をきるだけなのに……
すると、半ば強引に
「それじゃ、いきまひょ」
と店員さんに奥に連れていかれた
[数分後]
「藤堂はん、できはりましたよ」
「本当?ってちぃは?」
「ちょっとまっててくだはります?」
「?……あぁ」
「ほーら千奈はん、恥ずかしがってないで早くきんしゃい。えらい別嬪はんなんやから」
そう、あれから私は奥の部屋で着物だけをきておわるはずだった
なのに
『ちょっとかみしばりましょか』
『ちょっとお化粧しときましょね』
と、強引に店員さんに、色々されてしまったのだ