御曹司の溺愛エスコート
車に戻った桜は顔を曇らせ黙ったままだ。
リサのケガと亡き祖母を思うと、胸をえぐられるように痛かった。
「桜」
名前を呼ぶと桜は甘えるように自分から蒼真の肩に頭を乗せた。
10分後、リムジンはアパートに到着した。
蒼真は先に下りようとする桜の肩に手を伸ばす。
「桜、見ない方が良いんじゃないか?」
今落ち込んでいる桜に見せたくない。
桜は小さく首を振った。
「大丈夫……」
蒼真が下りるのを待って、桜はアパートの中へ入った。
狭い階段を上がり、部屋のドアが見えてきた。
ここを慌てて出たのは昨晩……。
あの時は生きた心地がしなかった。
まさか、リサがケガをしていたなんて思いもよらなくて……。
私が見つけていれば早く治療を受けられたのに。
ドアに手をかけると「ぎぃーっ」と音をたてて開いた。
こそっとドアの隙間から覗いてから、大きく開けて中へ入る。
しーんと静まり返った部屋は昨日のまま乱雑に散らかっている。
目を向ける先はクリスタルの置物達の場所。
全部……無くなっちゃった……。
台へ一歩近づくと、ヒールに当たるものがあった。
桜はしゃがみ、それを手にした。
リサのケガと亡き祖母を思うと、胸をえぐられるように痛かった。
「桜」
名前を呼ぶと桜は甘えるように自分から蒼真の肩に頭を乗せた。
10分後、リムジンはアパートに到着した。
蒼真は先に下りようとする桜の肩に手を伸ばす。
「桜、見ない方が良いんじゃないか?」
今落ち込んでいる桜に見せたくない。
桜は小さく首を振った。
「大丈夫……」
蒼真が下りるのを待って、桜はアパートの中へ入った。
狭い階段を上がり、部屋のドアが見えてきた。
ここを慌てて出たのは昨晩……。
あの時は生きた心地がしなかった。
まさか、リサがケガをしていたなんて思いもよらなくて……。
私が見つけていれば早く治療を受けられたのに。
ドアに手をかけると「ぎぃーっ」と音をたてて開いた。
こそっとドアの隙間から覗いてから、大きく開けて中へ入る。
しーんと静まり返った部屋は昨日のまま乱雑に散らかっている。
目を向ける先はクリスタルの置物達の場所。
全部……無くなっちゃった……。
台へ一歩近づくと、ヒールに当たるものがあった。
桜はしゃがみ、それを手にした。