御曹司の溺愛エスコート
東京へ向かう帰りの車の運転は蒼真がした。
真琴と乗っている時でも、どんなに疲れていても必ず自分で運転をする。


真琴は桜を助手席に座らせようとしたが、さっさと後部座席へ座ってしまった。
そんな桜に蒼真は苦笑いを浮かべた。


桜は後部座席に座っても落ち着かなかった。


やっぱり助手席に座ればよかったかも。


バックミラーから蒼真の視線をつねに感じるのだ。


桜は目を閉じて眠ったフリをした。
そうしているうちに気持ちよい車の揺れに眠りに落ちた。


「真琴、マンションの手配は?」

「はい。今日からでも入居できます。お屋敷から一駅の場所ですが移動の面を考えるとそこがよろしいかと。セキュリティーも完璧です」

「ああ、真琴が選んだのだから安心だ」


幼馴染で秘書の真琴を蒼真は全面的に信頼している。


仕事になれば全ての神経を患者に向けなくてはならない蒼真。
彼の身の回りの雑用やスケジュール調整を真琴がこなしていた。



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