御曹司の溺愛エスコート
「本当にベッドだけだな。明日までの我慢だ」

「蒼真兄さま、本当にここに……住むの?」


桜は不安な瞳を蒼真に向ける。


「桜」


蒼真は桜の髪に手を伸ばし、そっと撫で頬へと指を滑らした。


「桜、落ち着いたら結婚して欲しい」


今なんて……?
蒼真兄さまの言葉は自分が作った空想なのか……。


意識の下で結婚したい。
守られたいと思った自分が作り上げた言葉なのか。


「桜? 聞いているのか?」

「今……なんて……?」


喉の奥から振り絞るように出た言葉。


「妻になって欲しい」


頬に滑らした手は桜の手を取り、自分の口元にもってくる。


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