御曹司の溺愛エスコート
「桜、お前は煙を吸い意識を失ったんだ。望を助けるのは無理だった」


力のない桜では気を失った大柄な望を動かすの無理だ。


「違う! 私は望くんを見捨てたの! そうじゃなければ一緒に死んでいたはずでしょ!」

「桜、そうじゃないだろう?」


蒼真は頭に手をやり、首を乱暴に振る桜の肩に手を置いた。


「そうよ! そんな私が幸せになれるわけないっ」

「桜! しっかりするんだ」


蒼真は暴れる桜を胸に閉じ込めた。


「離してっ!」


蒼真は泣き叫ぶ桜の唇に口づけをした。


「んーーーーっ!」


蒼真の胸を拳(こぶし)で乱暴に叩く。


「もうお前を手放せない」

「結婚はいや……駄目……」

「桜、お前を幸せに出来るのは私しかいないだろう?」


震える華奢な身体をぎゅっと抱きしめた。








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