御曹司の溺愛エスコート
望くん……。


「私たちに一番いい形を考えているんだ」

「蒼真兄さま……」


こんなにステキな人からの求婚、普通ならば天にも昇る気持ちになるだろう。
なぜ普通に会えなかったの?と思う。


頑固に首を振る桜に蒼真はいい加減苛立ちを隠せない。


「結婚はいや……」

「桜!」

「わかって! 蒼真兄さまっ!」


蒼真は首を横に振りながら、深いため息を吐いた。


「……では……愛人になってもらおう」

「愛人?」


桜のブルーグレーの瞳が揺れ動く。


愛人……?
蒼真兄様は本気で言ってるの?



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