御曹司の溺愛エスコート
「桜様はご存知なのですか?」

「いや」

「嫌がりますよ? 突然検査入院だなんて」

「体調が悪そうなのが気になる。何とかなだめるしかないな……」


真琴が帰ると、蒼真は桜の様子を見に寝室へ行った。
部屋に入った途端、ぶるっと震える。


部屋が異常に寒かった。


「桜?」


ベッドで寝ているはずの桜がいない。


窓が開いており、眉根を寄せながら近づく。
桜はベランダに出ていた。


「桜っ! そんな薄着でベランダにでるんじゃない!」


桜は手すりに手を置いて空を見上げていた。
セーターとスカートのままだ。


蒼真の声にビクッと肩を震わせ桜は振り返った。


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