御曹司の溺愛エスコート
この街は秋月邸は隣の駅だと聞いている。
通学していた学生の頃、ここの駅はいつも通り過ぎるだけで何があるのかも分らない。


蒼真兄さまはマンションの1階にお店がたくさんあるって言っていたっけ。
とりあえず1階に降りてみよう。


1階に10店舗ほど店があった。
その中で見つけた美容室。


「あった」


新築のマンションなので、店はどれも新しい。


桜は美容室に入った。


「いらっしゃいませ」


若いイケメンの男の子が受付にいて桜を出迎えた。


「お客様は初めてですね?」

「え……あ、はい」

「一度いらしていたら覚えますよ。可愛い人は。それにきれいな瞳ですね?」


容姿を褒められて桜は戸惑いの表情を浮かべた。


「今日はいかがされますか?」

「予約をしていませんが、大丈夫ですか?」

「はい。ちょうどキャンセルが出ましたので」


イケメンの男の子はにっこり笑う。


「では、カットをお願いします」


桜はコートとバッグを彼に預けた。



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