御曹司の溺愛エスコート
今日の夕食は何にしようかな。


美容室を出ると、マンションを離れ大通りに出てみた。


ここ……知ってる。


蒼真兄さまが車で学校に迎えに来てくれた時によく通った道だ。
この先に大きなスーパーがあるはず。


桜は足早に向った。


角を曲がると大きなスーパーが見えた。


「あった! 良かった」


口元に笑みを浮かべて桜はスーパーへ向った。


買い物を済ませてマンションへ戻ると2時を回っていた。


購入した食材を冷蔵庫に入れると、桜はベーグルと紅茶を持ちソファに座った。


シカゴにいた時には無いゆったりとした時間を久しぶりに感じる。


幸せ……。


久しぶりに幸せだと感じた。


3年前に幸せはあっけなく遠ざかったものだった。


急遽、アメリカの父の母に引き取られる事になり、その時は逃げられる道がありホッとした。


優しいグランマ(祖母)だったが、幸せは感じられなかった。


ごめんね……グランマ……望くん……。
今、蒼真兄さまの側にいられてすごく幸せなの。
もう少しだけ……いさせて……。



< 164 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop