御曹司の溺愛エスコート
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「遅いな……大変な手術だったのかも」


桜はやる事もなくソファの上でぼんやりしていた。


短くなった髪を蒼真兄さまはどう思うかな。
鏡に映った自分は男の子みたいだった。


短い髪は首元がスースーしている。


しばらくすると玄関のドアが開く音がした。


ちょうどソファから立ち上がった時、リビングルームのドアが開き蒼真が入って来た。


「お帰りなさい」


目と目があって、蒼真の切れ長の目が大きく見開かれた。


「桜……」


髪が短すぎる。
男の子みたいじゃないか。


「おかしい?」


絶句したような蒼真を見て、桜は短い髪に手をやる。


「かなり短いな」

「ん……揃えてもらったらこうなっちゃったの。すぐに伸びると思うから。似合わない?」

「いや。そんなことはない。似合うが驚いたよ」

「良かった」


蒼真の反応が心配だった桜はやっと柔らかい笑みを浮かべた。





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