御曹司の溺愛エスコート
望くんの双子の妹琴美ちゃんはあれ以来会っていない。
伯母様の話では留学していると言う。
双子の兄を無くして一番ショックを受けたのは琴美ちゃんかもしれない。


私が蒼真兄さまと一緒にいる事を伯母様はご存知なのだろうか？
おそらく知らないはず。
知っていたらすぐにでも別れさせようとするだろう。


その場面を思い浮かべてぞっとする。


頭を思いっきり振り、急いで片づけを済ませた。


キッチンを出ると紺色のローブを着た蒼真が姿を現した。
その姿に心臓がトクンと音をたてた。


「桜、まだ仕事が残っているんだ。先に寝ていなさい。明日は病院に行くからよく眠るんだよ？」


そうだ。簡単な検査って言ってたっけ……。


すっかり忘れていて桜は慌てて頷いた。


「おやすみ」

「おやすみなさい」


さくらの額に口づけを落とすと、蒼真は書斎へ消えた。


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