御曹司の溺愛エスコート
「秋月先生~ もういいか~?」


奥にあるパーテーションの裏から男性の声が聞こえた。
その声に桜はビクッと驚く。


「あぁ……」


蒼真が返事をすると、ノンフレームのメガネをかけた男性が出てきた。
白衣を着ているので、医師のようだ。


「ずいぶんお楽しみだったな?」


男性はニヤッと蒼真を見てから桜に視線を移す。


「君が婚約者を振ってまで側に置きたい彼女か」

「おい、」


ずけずけと言う男性に桜が驚いているのが分る。


「でも、君はすごく可愛いね? 蒼真が側に置きたい理由が分るよ」


そう言われて、桜が戸惑った表情で蒼真を見る。


「総司朗。桜が怯えるだろう」


蒼真は総司朗をたしなめながら、桜のブラウスのボタンを留める。



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