御曹司の溺愛エスコート
「私は何も存じ上げません」

「いいわ。連絡を取ったら私に電話をするように伝えなさい」


真琴の表情は変わらなかったが、内心はホッとしていた。
これ以上聞かれては隠し切れなくなる。


おふたりの事をお知りになったら激怒する事は間違いない。


応接室を出ると、心配そうに父が近づいてきた。


「奥様は何の用だったんだ?」


自分ではなく娘を呼ぶとは……。


「蒼真様がお戻りになられないから心配のようです」

「そうか……」


父にもふたりの事は内緒にしていた。
いつかはばれるにしても今はそっとしてあげたい。



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