御曹司の溺愛エスコート
懐かしいな……。


この道は部活で遅くなった時に迎えに来てくれた蒼真兄さまと歩いた道。ダメだ……どこを見ても蒼真兄さまを思い出しちゃう……シカゴにいれば一日に数回思い出すだけですんだのに。


ここへ着てからつねに蒼真のことを考えてしまう自分が弱くて嫌だ。


プップー!


車のクラクションにハッとして端に退く。車は桜の横をすり抜けていった。


ぼんやりしていつの間にか道の真ん中を歩いていた。


少し歩くとアイスをよく買ったコンビニを見つけ、懐かしい思いで胸がいっぱいになった。


桜はコンビニの中へ入った。


日本に来て買いたいと思ったのはサランラップ。アメリカ製のラップは切りづらくてしっかりついてくれない。


小さいラップを6個買い、桜は満足した。


リサにプレゼントしよう。


リサはアパートメントの部屋の隣に住んでいるおばあさん。食事によく誘ってくれる優しいリサは亡くなった祖母の親友だった。


コンビニを出て歩いていると公園が見える。
公園は蒼真や望に小さい頃遊んでもらった思い出深い場所。



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