御曹司の溺愛エスコート

ケンカ

本を読み、眠気に逆らえなくなった時、寝室のドアがそっと開いた。


「桜……」


1時を過ぎたのにまだ起きていた桜に蒼真は驚いた。
近づきオレンジのほのかな灯りに照らされる桜の顔を見る。


「眠れないのか?」

「もう寝ます」


桜はサイドテーブルに本を置いて目を閉じた。


「おやすみ」


蒼真は桜の額にキスを落とすとバスルームに消えた。


蒼真が戻ってきた時には桜は布団の中で身体を丸めるようにしてぐっすり眠っていた。
あどけない寝顔は15歳のままのようだ。


< 191 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop