御曹司の溺愛エスコート
琴美は桜を嫌っていた。
ふたりを会わせたくない。


「わかりました」


蒼真はポケットから携帯電話を取り出した。
着信が5件入っていた。
そのうちの3件は琴美だ。


蒼真は小さなため息を漏らすと、琴美へかけた。
すぐに琴美は出た。


『お兄様!』

「琴美、いつ帰ってきたんだ?」

『今日の朝よ。お兄様はいつ戻るの?』


はずんだ声に蒼真は苦虫を噛み潰したような顔になる。


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