御曹司の溺愛エスコート
身体はいつの間にか楽になっていた。
昨夜の点滴が効いた様だ。


「今日一日はベッドから出てはいけない」

「はい」


これ以上、蒼真兄さまに迷惑をかけないためにもしっかり風邪を治さなければ。




本を読む気力が夕方になると戻ってきた。
時折、蒼真が様子を見に来るが、熱を測っただけですぐに書斎に戻ってしまう。


忙しいんだ……。


真琴もマンションへ来ていた。
書斎に2人っきりで仕事をしているかと思うと桜はもやもやした気持ちになる。


真琴さんは秘書なんだから、嫉妬なんてしてはダメ。
そんな権利、私にはない。



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