御曹司の溺愛エスコート
蒼真は強引に話を終わらせて携帯を切ると、イスの背に身体を預けた。


「大丈夫ですか?」

真琴が心配そうだ。


「あぁ……桜を連れて海外に移住したいよ」


苦笑いを浮かべる蒼真だが、最悪そうなるかもと思う。




数日が経ち、桜の風邪も治り体調も良くなった。


「今日はいつもより早く帰ると思う」


出かけに蒼真が言う。


「はい。気をつけて行ってらっしゃいませ」


他人行儀な言葉に蒼真は喪失感を覚える。


「桜、キスはしてくれないのか?」

「え……」


突然言われて桜は困った顔になる。


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