御曹司の溺愛エスコート
平日にも関わらず、店内はほぼ満席の状態だった。
主にカップルが多く、あとは家族連れ。
少人数の女の人だけのテーブルが近くでひそひそ話が桜の耳に入ってきた。

「あの人、すごく素敵!」

「でも女の子連れじゃん」

「妹なんじゃない?」


などど言う声が耳に入ってきて居心地の悪さを感じ無意識に座りなおした。


「どうした?」


蒼真は聞こえていないらしい。


「え……なんでもない」


ちょうど運ばれてきたオレンジジュースを口にする。


やっぱり妹にしか見られないんだ。
昔からそうだった。
腕を組んで歩いていても妹に間違えられる。
容姿は似ても似つかないのに。


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