御曹司の溺愛エスコート
「今日は何をしていたんだ?」


その言葉に桜はぎくっと身をこわばらせた。


「いつもと同じ……午後にスーパーへ買い物に行っただけ」


美容室の事を後ろめたく感じ、そっけなく今日の事を話した。


「そうか」


一日中ひとりの桜は退屈だろう。


「中学の時の友達と連絡を取ってみたらどうだ?」


たしか、親友がいたはずだ。


「いいの。もう電話番号分らないから」


桜は小さく首を振る。


「番号か……」


桜の部屋はそのままにしてある。
残っていないだろうか。


「ひとりで大丈夫だから。気にしないで蒼真兄さま」


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