御曹司の溺愛エスコート
婚約披露パーティーは明日の夜。蒼真兄さまの奥さんになる人がどんな人か見たくて来てしまった事を後悔している。お似合いのカップルだった。美しい愛理さんは蒼真兄さまの支えとなってくれる。脳神経外科医で精密さを求められる蒼真兄さまは自分に厳しい人だから。疲れた蒼真兄さまを癒せる人……。


桜は深いため息を吐いて、買ってきたサランラップをスーツケースの中に入れて閉めた。


ラップを買いに来たみたい……。


自分を励ますようにクスッと笑って、ドアの近くにスーツケースを置いた。


そこへドアにノックがあった。


「はい……」


ドアを開けると、真琴がトレーを持って立っていた。


「真琴さん……」

「桜様、昨日もお食事していないと母が心配してました。母を喜ばせる為に全部召し上がってくださいね？」


真琴は部屋の中へ入った。



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