御曹司の溺愛エスコート
廊下に出た蒼真は総司朗に桜の記憶がないことを話した。


「熱が心配だな。記憶は時間が経てば戻るかもしれない」


蒼真は桜の記憶に関してはどうでも良かった。
記憶はない方が桜は幸せなのかもしれない。


蒼真は真剣に桜が傷つかなくても済むように海外に住もうかと考え始めていた。


愛しい桜にもう傷ついて欲しくない。
安らかに暮らして欲しい。


眠っている桜を真琴に任せ、蒼真は執務室に戻った。
そこで携帯電話をチェックする。


案の定、琴美と母から何件も着信があった。
今は何も話したくない。
怒りで取り返しのつかないことを言ってしまいそうだ。


蒼真は携帯電話の電源を落とした。



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