御曹司の溺愛エスコート
蒼真は夜遅くに帰宅した。
飛行機がエンジントラブルで遅れたのだ。
予定ならば１９時にはマンションに帰って来られたのだが。
なかなか帰ってこない蒼真を桜は何かあったのではないかと心配した。


２１時に蒼真から電話があり安心した。
蒼真がマンションに戻ってきたのは、桜が眠気に逆らえなくなりそうな時だった。


静かにドアが開きカシミヤのコート姿の蒼真が入ってきた。
ドアの開く音に桜はソファから立ち上がる。


「蒼真、お帰りなさい」


はにかんだ様な微笑に蒼真はそっと抱き寄せる。


「桜、ただいま。身体の調子は良いそうだね？」


身体を離した蒼真が桜の顔を見る。


「もう大丈夫」


そうは言うが、疲れやすいという事を真琴から報告を受けていた。


「シャワーを浴びてくる。先に寝ていなさい」

「はい」


桜は眠気に逆らえず寝室に行った。


蒼真がシャワーを浴びて寝室に戻ると、桜は安心しきったような表情で眠っていた。


その姿にフッと微笑んだ。



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