御曹司の溺愛エスコート

桜に逃げられた真琴は蒼真に連絡を入れようとしたが、すでに研修会が始まってしまっている時刻だった。


研修会が終わるのは１６時。それまでに桜様の泊まる部屋を突き止めることにしよう。


研修会が終了後、電話をもらえるよう真琴は蒼真にメールを打った。


真琴は桜のスーツケースを車のトランクの中にしまい、近くのホテルにマセラッティを走らせた。


１６時過ぎ、蒼真から電話がかかって来た。


『さくらは？』


真琴が間に合わずアメリカへ帰ってしまったかもしれない。


「ちょうどシカゴが大雪で飛行機が飛ばなかったのですが、桜様は一緒に来る事を拒否なさって逃げてしまわれました」

『……もちろんお前の事だ。探し当てたんだろう？』


有能な秘書にできない事は今までになかった。


「はい。成田のホテルにチェックインしています」

『わかった。これから向かう』