御曹司の溺愛エスコート
「真琴、ルームサービスにおかゆを頼んでくれ」

「はい」


真琴がその場を離れた。


「いつから調子悪かったんだ?」


もしかしたら到着した日、昨日の時点で具合は悪かったのかもしれない。


「わからない……」


ぼそっと言う桜に深いため息が出る。


「わからないって……子供じゃないんだからわかるだろう?」


蒼真が少しあきれ気味に言うと桜が動揺した。


「本当にわからないのっ」


聴診器をあてられていた胸のボタンを留めようとした。


「汗をかいただろう。着替えなさい」


丁度、真琴が戻ってきて桜にパジャマを渡す。


「これなんですか?」


今まで頼りなかった表情が一転してキッと蒼真を見た。


「何って着替えだ」

「いりませんっ」



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