御曹司の溺愛エスコート
桜はベッドから抜け出すと、隅に置いてあったスーツケースを持ってバスルームに行ってしまった。

「桜!」


まさか、シャワーを浴びるんじゃないだろうな。


真琴も気になるようだ。


「桜様!」


真琴がバスルームのドアを開けようとするが、中から鍵がかけられてびくともしない。


まるで小さい頃の桜を再び思い出させる。
蒼真に叱られた時、よくバスルームにこもっていた。
最後に謝るのは桜だった。
しかし今回は……。


しばらくして桜が出てくるのと、ルームサービスが到着するのはほぼ同時だった。


桜は持って来ていた綿のパジャマを着ていた。


頬はもとより、顔全体が赤くて熱が上がったように見える。


「バカだな」


蒼真に言われた桜は無視してベッドに入った。



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