御曹司の溺愛エスコート
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ホテルの戻った蒼真はエレベーターを降りて驚いた。
部屋の前に茶色のコートを着た桜が膝を立ててそこに顔をうずめて丸くなっていたのだ。


「桜!」


蒼真はその姿を見た瞬間、身体の力が抜けたようになった。
桜の元へ駆け寄る足取りさえも軽い。


蒼真に名前を呼ばれた桜はハッと顔を上げた。


「蒼真……兄……さま……」


うとうとしていたらしく、瞬きを数回して蒼真を見る。


「桜、大丈夫か?」


近づいた蒼真に桜は抱き上げられる。


「部屋に強盗が……」


抱き上げられると、蒼真の首元に顔をうずめる。
桜の身体が小刻みに震えていた。
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