御曹司の溺愛エスコート
しばらくそうしていると桜の瞼が開いた。
焦点を合わそうと瞬きを繰り返す。


「大丈夫か?」


蒼真に聞かれて小さく頷く。


「辛いことを聞いてしまった」


蒼真が立ち上がると桜の顔が一瞬不安そうになった。


「すぐ戻るよ」


蒼真が戻ると、桜はベッドの上に起き上がっていた。


「これを飲みなさい」


ブランデーの入ったグラスを桜の手に持たす。


受け取った桜は匂いをかいで顔をしかめている。


「ブランデーだよ。気付け薬の代わりだ。少しでいい」


桜はは素直にグラスを口に運んだ。
一口飲んですぐに蒼真にグラスを渡す。


「まずいかい?」


一口というか舐めただけ。
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