君と空の下

小さい、小さい体でお母さんのお腹の中で生きていた。

けど産まれたらすぐ声を出した私と違って、男の子はなかなか声を出してくれなかった。

泣いてくれるように背中を叩いても泣いてはくれなかった。

お母さんのお腹の中ではまだ生きていた私の弟。


お母さんは、自分のせいで死んじゃたって泣きながら話してくれた。

「お母さん・・・2人の名前決めてたの、空・・・碧(あおい)・・・似てるでしょ?

空の名前と・・・仲が良くてみんなに羨ましがられる双子であって欲しかったの」

「お母さん・・・」

「まだ空も竜ちゃんも若いんだから、これからよ?今みたいに傷つくようなことたくさんあるんだから、前に進む一歩だと感じて頑張って?私の可愛い空」

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