君と空の下

竜也の手は温かくて、優しくて竜也のそのものが感じられる。

そんな大きい手が、密かに震えていた。

いつもは、私を力強く抱きしめてくれる大きな手。


「まだ空が、怖いならいつまでも待つよ」

「えっ?」

「まだ産むことが怖いならいつでも待つから」

「竜也・・・私、産む!」

「でも空・・・」

「産みたい・・・だって大好きな人の子だから・・・まだ確かに怖いけど子供がいるならおろしたくないから・・・ダメ?」
「・・・全然!むしろ嬉しいよ♪・・・でも喜ぶ前に病院行かなきゃね♪」

「だね〜♪」
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