あの窓の向こう側
「好きな人なんだっていうことじゃなくて

ただあの子可愛いよなって…ただの世間話の

つもりで…言ったんだ…

そしたらあいつの顔を見て…梨乃に一目惚れ

したのが一瞬でわかった…」

私はただ黙って聞いていた

「で…俺は前から仲が良かった楓を通して

梨乃と知り合えた…でもその頃には

同室の奴は退院してた…だから大丈夫だと

思ってたんだ…でも…病院で度々あいつを

見掛けて…梨乃を見に来てるんだって…

俺は知ってた…知ってたんだ…!!!

いつか今回みたいなことが起こるかも

しれないって知っていながら…

俺は何も言えなかった…」

どうしよう…何て言ったら良いのか分からない…

でも…例えきっかけを作ったのが爽汰君でも…

助けてくれたのも…爽汰君だ…

それは紛れもない事実。





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