あの窓の向こう側
私は呆然と聞いていた。波流君の世界は空にあるんだな。なんて広いんだろう…。

私の世界なんてちっぽけな病室に止まっている。

『すごいな…波流君は。ちゃんと自分のしたいこと見付けて頑張ってる。私、将来の夢とか持ったことないし。実は花火も、テレビとかではあるけど生で見たことないんだ。』

「そうなんや?でも梨乃はまだまだ若いんやし、やりたいこときっと見つかるで!それに、梨乃がまだ花火見たことないってラッキーや!」

『え?何で?』

「俺が作った花火最初に見てもらえるやん!そんで感動してもらえるやん。他にもっとでかくてすげーの見たことあったらそれに俺のが勝てる気せんしな。」
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