あの窓の向こう側
次の日の朝、もう一度

メールを確認すると

拒否設定したおかげか、

あのアドレスやその他に怪しい

メールは来ていなかった

その代わり…

【梨乃へ

梨乃、体調はどないや??

全然会いに行けん上に、メールも

少なくてほんまごめんな。

俺、頑張るから。

今度の夏の花火大会で俺の作った花火が

ちょっとだけ打ち上げられることに

なったんや!!

梨乃に、絶対見て欲しいんや。

そのために、俺頑張るから、

期待しとってくれ!!

大好きやで。

波流】

波流君の花火が見られる…

今まで波流君に沢山の元気をもらってきた

波流君が作った花火を見られるだけで

また大きな感動をもらえるだろう

元気になれるだろう

『ほんと私、幸せものだよね…』

そう思ってメールを返信する

そしてこの嬉しさを誰かに分かち合って

もらいたくて、私は病室を出る

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