あの窓の向こう側
一通り分からないところを教えてもらった後、

「おっしゃ!ちょっと休憩しよか?気分転換♪」

そう言って波流君は私の腕を掴んだ。

「外行こうや!」

波流君は松葉杖をついているから、私なんかより歩きにくくてしんどい筈なのに、とてもはしゃいでいた。

波流君の世界はやっぱり広い。私と同じ病室にいたって、波流君は外の世界の人なんだとつくづく感じる。

私…外に出るのなんて久しぶりだな…。

「ほら、早よ行こうや!」

私は波流君に言われるがまま、病室を出た。

< 16 / 117 >

この作品をシェア

pagetop