あの窓の向こう側
急に胸を押さえてしゃがみ込んだ私を見て波流君はとても驚いた顔をしていた。

『はあ…はあ…』

「ど、どうしたんや!?梨乃!?」

段々と遠くなる意識の中で、波流君の私を呼ぶ叫び声だけが響いていた。

ああ…私…死んじゃうのかな…

やっと波流君と仲良くなって…

窓の向こう側の世界に出て…

楽しいことが増えてきたのにな…

そんなことを思いながら私は意識を失った。
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