あの窓の向こう側

「波流…遅いわね。何かあったのかしら？」

「何で波流来ないんだろ。波流が居ないと勉強教えてくれる人が居ないじゃん。」

流石に遅すぎる波流君を皆気にとめ始めた。

「何だよ、亮！勉強なら俺が見てやるのに。」

「…僕が分からない問題を爽汰が解けると思えないからなあ…」

「ま、た、こいつは生意気なことを…」

「止めなさい！もう…。でも、波流はほんとにどうしたのかしら。梨乃、あなた何か知らないの？」

『え…あ…はい…特に何も…』

ほんとに、どうしたんだろう…波流君は怪我で入院してるから、いきなり病状が悪化するとかいうことはないはずなんだよね…。