あの窓の向こう側
「まぁ、自覚がないのは良いけど…、早く体調戻しなさい。波流と居られる時間を大切にしたいなら、ね。」

『は、はい!ありがとう…楓さん。』

自覚がないのはっていう所の意味は分からなかったけど、楓さんにそう言われて私の気持ちは少し軽くなった気がした。

そうだよね…体調崩してたら、波流君と居られる時間がもっと短くなっちゃうよね…!早く良くなって波流君も、皆も、安心させてあげなきゃ。

夕方、楓さんが帰った後そんな決意を固めた私の病室のドアが、またコンコン、と音を立てた。

誰だろう…?

ガラッと開いたドアの向こうに立っていたのは、意外な訪問者だった。

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