あの窓の向こう側
「初めまして!俺、澤口波流(さわぐち はる)!19歳やで!あんた、えーと…確か、く、黒瀬梨乃さんやろ?俺、昨日からこの病院に入院してんねんけど、暇やから挨拶して回ってんねん!よろしくな!」

有無を言わさずその男の子は関西弁で話していて、私は呆気に取られていた。

「俺のことは波流でええよ!やけん、俺は梨乃って呼んでもええ?」

『あ…はい。よろしく。えっと…波流…さん…』

「波流でええって。梨乃はいくつなん?」

『17歳ですけど…』

「あーそうなん!俺のが年上やからって気ぃ遣わんでええねんで?」
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