あの窓の向こう側
だって…今は…波流君とは一緒に居たくない…。

沙羅さんの話を聞いて、私は波流君が好きだってことが分かった。

でも沙羅さんの話を聞いてから、波流君は私のことを見てくれてるんじゃなくて…違う人…波流君が本当に思ってる人を私に重ねて見てるんぢゃないかって…そう思えて仕方ないから…。

私は波流君の側に居ても良いのかな…好きで居ても良いのかな…。

「梨乃…?そんなとこで何してるの…?」

そこへやってきたのは楓さんだった。

『楓さん…。』

私は、自分の波流君に対する気持ち。沙羅さんから聞いたこと。全部楓さんに打ち明けた。

私一人で考えるのはもう限界で、楓さんは本当に信頼できる人だから。誰かにすがりたかったから。

私は半泣き状態で、途切れ途切れに話したけど、楓さんは静かに私の話を聴いてくれた。
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