あの窓の向こう側
やっぱり…波流君に隠し事したくない…。本当のことを波流君の口から聞きたい…。

私はさっき波流君達と別れた所へ戻ってみたけど、そこには波流君も有馬先生ももう居なかった。

『何処行っちゃったんだろう…。』

そう思いながら波流君を探して歩いた。

私はずっと病室に一人だった。いつも同じ毎日を過ごしてた。

そんな私に外の世界を教えてくれて、友達を与えてくれて…私のことを変えてくれた。

人生で初めて恋する気持ちを教えてくれた。私に手を差し伸べてくれるのは、他の誰でもなく、波流君なんだよ。

その思いを伝えたい一心で散々色んな所を見て歩いたけど、やっぱり波流君は居なかった。…となると、病室に戻ってるのかな…。

波流君の病室は個室じゃなくて他にも患者さんが居るから、話すなら場所変えなきゃいけないかな…。そんなことを考えながら波流君の病室の前まで来ると、病室のドアが開いていて、波流君と沙羅さんの声が聞こえてきた。
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