あの窓の向こう側
瑞希さんが亡くなった日に波流君と散歩したということもあって、波流君は自分を責めずには居られなかった。

「俺が…外に連れ出したりしたから…瑞希が…。俺のせいや…。」

そう言って波流君は泣き続けた。

私と出会ってすぐ、波流君と散歩している時、私も発作を起こして倒れたことがあった。

あの時私は大丈夫だったけど、波流君は泣いていた。

出会ったばかりの人のために泣けるってすごいなって…あの時は思ったけど…今思えばフラッシュバックみたいなものが、波流君の中で起こっていたのかもしれない。

倒れた私の姿が、瑞希さんと重なったんだろうな…。また、自分のせいでって思ったのかもしれない…。
< 57 / 117 >

この作品をシェア

pagetop