あの窓の向こう側
いくら考えたって答えが出せるわけない…だから直接波流君に会って話そうと決めた…だから波流を探して…

やっと見つけたのに…沙羅さんとの話を聞くのが怖くて…

あの言葉の後…波流君がもし…そうやなって私に瑞希さんを重ねているのを

認めてしまったらって思うと…あの場にはやっぱり居られなくて…また逃げ出してしまう…

『はぁ…何やってんだろう…』

そう言葉に出してため息を出した所だった。

「黒瀬さん?」

顔を上げるとそこにはまた有馬先生が立っていた。

「また会ったね。今日は運が良い日だな。」

そう言ってニコッとキラースマイルを見せてくる。

「まぁ冗談は程々にしとこうか。で?何ため息ついてんの?」

『…別に…』

「またまた♪どうせ澤口波流のことだろ?」

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