あの窓の向こう側
楓さんと爽汰君にはとりあえず帰ってもらった。爽汰君が疑問がっても、おそらく楓さんが上手く誤魔化してくれるだろう…。

『先生…どこ行くんですか…?』

「澤口君の病室。てか、流石病院一と噂の女の子には番犬がいっぱい付いてるね。誤魔化すのも一苦労だな。」

そう言いながらも楽しむように笑う有馬先生。番犬って…。

波流君の病室に着くと、波流君が居た。って当たり前だよね。

「梨乃やん。どうした?何で有馬先生と一緒なんや?」

「俺が連れ出した。ちょっと元気なかったし、俺と一緒に居たら楽しいかなって思ってね。」

そう言って有馬先生は私の肩を抱き寄せた。

ちょ、ちょ、やりすぎじゃないかなこれ…

『あのっ…有馬先生…?』

波流君もすごいびっくりした顔してる…
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