あの窓の向こう側
「はは、有馬先生。冗談は程々にしといてやってや。梨乃困ってるやん。」

「冗談?俺は本気だけど?」

波流君は黙ってしまった。

「ま、まだアタック中だけどね。ね?梨乃さん♪」

『えっ…』

この状況どうしたら良いんだろう…もう泣きたいよ…

「俺邪魔みたいやし、ちょっとジュース買いに行ってくるわ。」

冷静な顔で波流君は出て行ってしまった。

『もう!有馬先生やりすぎですよ…もう絶対勘違いされちゃっ…』

すると有馬先生は急に私を抱き寄せてきた。

『えっ!?ちょっ…有馬先生!?嫌っ…』

「ちょっと黙ってて…」

幸い波流君の病室はその時誰も居なかったけど、この状況はやばいよね…。本当に何考えてるの…。
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