あの窓の向こう側
『私…波流君の過去のこと…瑞希さんとのことを知ってるの…』

「え…」

すごく驚いた顔をした波流君は、少し考えて口を開いた。

「もしかして…沙羅か?沙羅に何か言われたんか?」

私は何も言わず、コクリと頷いた。

「はぁ…あいつ勝手なことしてからに…」

『沙羅さんは本当に波流君のことを大切に思ってるんだよ。』

私の言葉を聞いて波流君はニコッと笑ってまた私を抱き締めた。

『えっ!?波流君…?』

「梨乃は…ほんまにええ子やな…。沙羅のことや…どおせ俺と関わらんで欲しいとか…きついこと言うたんやろ…」

はは…流石波流君…ご名答だよ…

「梨乃…悩んだやろ…?苦しめたやろ…?ほんまにごめんな…。

俺…正直瑞希のことは…忘れてない…瑞希と梨乃は…確かによう似とる…俺も最初見た時びっくりしたんやで?」
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