あの窓の向こう側
「でもな…瑞希と梨乃は似てるだけで違うところもたくさんある…違う人間なんや…

それは俺自身…梨乃と過ごしてきてよう分かっとるつもりや…やから…

梨乃と瑞希を重ねたりはしとらんから…」

それを聞いて、私は心の重荷が少し取れた気がした…。

「梨乃が俺のせいで倒れた時…また俺、誰かの命を奪うんかって…思ったわ…

でも梨乃は生きとった。それに俺にありがとうて言うてくれた。その時俺は、瑞希とのことも救われた気がした…瑞希に…他の誰かと生きていくことを許された気がした…」

『波流君…』

「俺やって梨乃のことが好きなんや…一人の女の子として…梨乃として…大切に思っとる…」

私は今言われた言葉が現実なのか分からなかった…本当に信じられない…

これって…両思いってことだよね…
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