あの窓の向こう側
『で…も…私が心臓病だってことは、事実なの…私だっていつ発作を起こすのか…倒れるのか分からない…

いつ波流君の前から居なくなってもおかしくないんだよ!?』

「そんなことは分かっとる。できるだけ側におるから…いつだって助けられるように…。

俺は梨乃の側におりたいんや…」

そう言って私の頭を優しく撫でてくれた。私は涙が溢れてきて、波流君に抱きしめられたまま、泣いていた。

ほんと…波流君にはかなわないよ…

「沙羅には、この前話したから。あいつも分かっとるとは思う。仲良くしたってな。昨日関西に帰ったけどな…」

『もちろんだよ。』

その後有馬先生や、楓さんにこのことを話して、私と波流君は付き合うことになった。

その数日後、ついに波流君が退院する日がやってきた。
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